side N
扉が開いておーちゃんが誰を見るともなく中にはいってきた。
「聞いてたんだろ?話し。」
何も答えずただ、荷物を置いて扉に近い椅子に座ったおーちゃん。
「ニノ、俺のもんにするよ?」
「松潤。」
「潤くん」
何も言わないおーちゃんの代わりに先にまーくんが潤くんを嗜めようとした。
おーちゃん、、お願い。
いつもみたいにバカかって笑い飛ばしてよ。
潤くんとおーちゃんを交互で見る俺は心のなかで祈った。
でも、、そんなの届くはずもなく。
「勝手にすれば?俺には関係ない。」
冷たい言葉がナイフみたいに俺に刺さった。
「、、信じらんねえ。」
静かな空間に落ちたまーくんの言葉。
いつもの穏やかで明るい声とは程遠い。
「関係なければ嫌がるニノもどうだっていいんだ。リーダー、少しはニノのこと想ってくれてるって俺、信じてたのに。」
「、、まーくん」
「松潤だって本気じゃないよ、そんなの顔見ればわかるだろ!ニノのためだよっ!、、俺、リーダーはニノのこと好きなんだって思ってたのに、、」
今にも泣きそうなまーくん。
自分の事のように傷ついておーちゃんに食って掛かる。
潤くんだって、、きっと傷ついてる。
俯いた顔が悔しそうだ。
「、、、好きじゃねえ。」
ポツリと呟いたその言葉はハッキリと俺の耳にはいってきた。
じゃぁ、、、なんで、、この間はキスしてくれたの?
それをここで聞く勇気なんてないけど、おーちゃんを見つめることでそう訴えた。
俺の視線に気づいたおーちゃんは一瞬だけ俺を見てすぐに目を反らした。
「、、俺は、、、、男を好きにはなれねぇよ。」
そりゃ、、、そうだ。
俺だって男を好きにはなれない。
友情という思いはあっても愛情にはならない。
でも、、、俺は、、
おーちゃんが男だからとか、そんなくくりで好きになった訳じゃない。
自分でも戸惑うほど、、、1人の人間として、大野智に惹かれていっただけ。
おーちゃんにとって俺は、その対象には入らなかったんだね。
あの日のキスは、、ただの気まぐれ。
「ごめんね。おーちゃん、、、俺、、消えるから。」
「、、ニノ?」
俺の傍で潤くんが小さく呼んだ。
「暫く俺、、、おーちゃんから離れるよ。本当ごめん。気持ち悪いこと言って。忘れて?俺の言ったことなんて。」
「ニノ!」
まーくんが俺の肩を支えようと傍へ駆け寄る。
知らずに出てた涙。
だめだ、こんな風に泣いちゃ。
おーちゃんを困らせなるな。
「ごめんね。」
俺にはもう、謝るしか出来ない。
おーちゃんは俺が話す度、背中を向けて表情を隠した。
それがおーちゃんの答えだよね。
俺のこと、何とも思ってない証。