午前7時
ナナセ 「お母さん、お兄ちゃん、おはよう。」
蘭子 「ナナセ、おはよう。早くお兄ちゃんと朝ごはん食べなさい。」
この人は西野蘭子。ナナセの母で昔はもんじゃ焼き店で働いていた。
太盛 「おっ!珍しいやん!ナナセが7時に起きてくるなんて!」
ナナセ 「お兄ちゃん!ななも頑張れば早く起きれるで!」
ナナセと話をしているこのイケメン男性は西野太盛。ナナセの兄で市川総合高校三年生。サッカー部に所属している。
太盛 「そうやったな!さっさと朝飯を食べろよ!」
ナナセ 「はーい。いただきまーす。」
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ナナセ 「ごちそうさまでした。」
ナナセは朝食を食べ終え、洗い場に食器を持っていき自室に向かう。ちなみに太盛は朝食を食べた後、サッカー部の練習に向かった。
ナナセ 「そういえば今日は野球部の練習が休みだからハルトとデートしよっと。」
ナナセはハルトに電話をかけた。普段はハルトからデートに誘われるのでナナセからデートに誘そうのは初めてである。
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ハルトの部屋
〜盗んだバイクで走り出す♪行く先もわからぬまま♪暗い夜の帳の中へ〜♪ピッ!
ハルト 「もしもし〜?ナナセか。」
ナナセ『なあハルト、今日デートせぇへん?』
ハルト 「わり!今日は用事があるからまた今度デートしようぜ!」
ナナセ『えっ・・・・そうなん。わかった・・・』
ハルト 「じゃあまたな!」ピッ!
ナナセ 「・・・・用事ってなんやろ?よし!今日はハルトを尾行しよ!」
ナナセは早速パジャマから普段着に着替えてハルトを尾行することにした。
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ハルト 「〜♪〜♪」
ナナセ 「・・・・・・」ササッ!
ハルトから少し離れて尾行するナナセ。
ナナセ (ハルトは一体何処に行くんやろ?)
しばらく尾行すると本八幡駅に到着し、ハルトは渋谷行きの切符を買う。
ナナセ 「渋谷に行って何するつもりやろ?」(小声)
同じようにナナセも渋谷行きの切符を買い、ハルトと同じ電車の二車両目に乗る。
1時間後、渋谷駅に到着し、ハルトはハチ公前で誰かを待ち始めた。
ナナセ 「ハルトは誰を待ってるんやろ?友達のコウキくんか、ジンくんかな?」
ハルト 「おーい!こっちこっち!」
ナナセ 「えっ・・・・・?」
女の子 「ごめん!遅れちゃって!」
ハルトの前に現れたのは長い黒髪で巨乳の持ち主の色っぽい女の子だった。
ハルト 「んじゃ!デートに行きますか!」
女の子 「うん!ハルちゃんとのデート楽しみ?」
ハルトは女の子と手を繋いでデートに出掛けてしまった。
ナナセ 「・・・・・・・・」
ナナセは女の子と手を繋いで去っていくハルトの後ろ姿を見て呆然と立ち尽くす。
ナナセ 「・・・・ううう〜(涙)ハルトのアホ!(涙)どあほ!(涙)」
ナナセは後ろを向き渋谷駅の中に入っていった・・・・・
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夏休み登校日
リュウとマイは仲良く登校していた。
「今日は久しぶりの学校か〜」
「そうだね。みんな元気にしてたかな?」
「まあ元気にしてたと思うよ。」
「ねえリュウくん、今日、学校終わった後に野球部の練習があるの?」
「ないよ!だから今日はマイちゃんと一緒に帰れるよ。」
「本当!じゃあ帰りにカラオケに寄って帰ろ♪」
仲良く手をつなぎながら歩いていると・・・・
ショウ 「リュウ、マイちゃん、おはよう!」
ヒロト 「手を繋いで登校するなんてラブラブだな〜ヒューヒュー!」
「うるせぇよ!ヒロト。茶化すんじゃねぇよ!」
「そう言うヒロトくんだってななみんとラブラブだし、ショウくんもさゆりんとラブラブじゃん!」
ヒロト 「まあな//ところで二人とも指にペアリングはめてんじゃん!」
二人の左手薬指にはペアリングがはめられていた。
ショウ 「本当だ!」
「こないだ私の誕生日にリュウくんがプレゼントしてくれたんだ〜?」
「お揃いなんだぜ!マイちゃんと!」
その後、サユリとナナミが合流し、リュウはマイ、ショウはサユリ、ヒロトはナナミと手をつなぎながら歩き始めた。
「ところでショウ、お前昨日家で何やってたんだ?」
ショウ 「ギクッ!いや・・・・それはその。」
ヒロト 「もしかして・・・・サユリちゃんと一線を越えただろ?」
ナナミ 「えっ?ショウくんとまっつんがついに一線を越えたんだ!」
「っていうか・・・ショウくんとさゆりんはまだしてなかったんだ。」
その事を聞いて驚くマイ。
ショウ 「はい・・・しました。昨日はサユリちゃんの誕生日だったし、ちょうど父さんと母さんが旅行に行ってたし、兄さんも友達の家に泊まってたからチャンスだと思って・・・・」
「いや〜よかったな。ショウも童貞卒業出来て!」
ヒロト 「ああ!」
ナナミ 「ねえそろそろ学校に着くからこの話やめよ。」
サユリ 「うん・・・・私、すごい恥ずかしいから////」
市川総合高校に到着し、6人は1年A組の教室に向かった。
「あれ?」
「マイちゃん、どうしたの?」
「なぁちゃんがいつもより早く登校してる。」
マイの目線の向こう側にはナナセが自分の席に座っていた。
「いつもなぁちゃんはギリギリで来るのに・・・・何かあったのかな?」
「確かに・・・何かあった気がするな。」
ショウ 「不機嫌そうな顔をしてるし・・・・」
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その頃、ハルトはカズヤと登校していた。
ハルト 「あ〜登校日ってめんどくせ。わざわざ夏休み中に授業なんか入れなくていいじゃねーかよ!」
カズヤ 「ハルト、声がでかいよ!先生達が聞いてたらどうすんだよ!」
ハルト 「わりぃ!今日は野球部の練習はないから久しぶりにゆっくりできるぞ!」
カズヤ 「そうだけど・・・・お前最近ナナセちゃんとデートしてるのか?」
ハルト 「ギクッ!し・・・・してるよ。」
カズヤ 「おい!今ギクッって言っただろ!」
ハルト 「あっ早くしないと遅刻するから急ごうぜ!」
カズヤ 「誤魔化したな・・・・」
ハルトとカズヤが教室の引き戸を開けた瞬間、目の前にナナセが立っていた。
ハルト 「うおっ!!!!」
カズヤ 「うわっ!!!!」
ハルトとカズヤはあまりに突然の光景にビビって叫び声を上げてしまい思わず落としてしまったカバンを拾っているとナナセがハルトを無言でじぃっと見つめている。
ハルト 「どうした?なんか変なもんじゃ焼きでも食ったのか?」
ナナセ 「なあ・・・ハルト。昨日は何してたん?」
ハルト 「言っただろ。用事があったって。」
ナナセ 「ふーん。だったらこれはなんなん?」
ナナセが取り出した携帯の画面には昨日ハルトが女の子と仲良く歩いている写真が写し出されていた。
カズヤ 「ハルト・・・・お前。」
ハルト 「こ・・・・これは親戚の子を東京案内していただげで・・・・」
ハルトは大量の汗をかきながら言い訳をする。
ナナセ 「嘘やろ・・・・ハルトにこんな可愛い親戚の女の子がおるわけないもん。」
ハルト 「あっ!間違えたこの子は俺の友達だよ!俺なかなか野球部の試合に出れないからちょっと相談に乗って貰ってただけだよ!」
カズヤ 「それ芸能界の言い訳じゃないか!」
ナナセ 「相談に乗って貰っただけって言うてるけどななが後をつけた時に普通にその子と手を繋いでたやん。」
ハルト 「最近は友達でも手を繋いでいるから普通だろ!マジで浮気してないから!」
ナナセ 「・・・・・・・・・・・・」
ハルト 「だから浮気してないっすよ!お願いしますよ〜!!!ナナセさん、信じてくださいよ〜〜〜〜!!!!ねっ!!」
カズヤ 「ハルトのキャラがおかしくなってきたぞ・・・・・・・。」
ナナセ 「ますます怪しい・・・・だからこの子は一体誰なん?早よ言って!!!」
ハルト 「・・・・あー!!そうだよ!!浮気したよ!わりーかよ!!文句あるかよ!!後先なんか考えられっかよ、今しかねぇんだよ!!今しかよ大体な!お前も俺のことを本当に信じてるなら尾行すんじゃねーよ!ふざけんなよ」
逆ギレするハルト。
クラス全員 「・・・・・・・・」
ハルトの逆ギレを見てクラスの雰囲気が凍りついた。
ハルト 「えっ・・・・・・・・あっ!ごめん・・・・・。」
ナナセ 「・・・・・・・・・・・・・・(涙)」
ハルトがナナセの顔を見てみるとナナセは目から涙を流しながらハルトを睨み、そして・・・・・・
パシーン!!!!!
ナナセがハルトに平手打ちを喰らわした。
ハルト 「痛って!!!」
ハルトは床に倒れる。
ナナセ 「ハルトのアホ!!!ドアホ!!!ななもう耐えられへん!!!ななら終わりにしよ(涙)それとこの
携帯ストラップもういらんから!!さよなら・・・・・・・(涙)」
ナナセはハルトにお揃いの
携帯ストラップを返した後、自分の席に座った。
ハルト 「・・・・・・・・」
頬を手で抑えて呆然としているハルト。
ヒロト 「すげー空気になっちまったな・・・・」
ナナミ 「うん・・・・もう授業を受ける雰囲気じゃないよね。」
その後、担任が教室に入ってきてSHRが始まった。
つづく
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